永遠(とわ)に果てぬ愛
「大丈夫だよ。アイツが動いたとしても、オレには何も出来ないから」
「……信じているけど、不安になるんだよね。アノ男、本当に強引だから」
そんなことを小さく呟く。
オレが独りじゃないと実感出来る瞬間だ。
「大丈夫。
和奏はもちろん、父さんや聡さん、直輝に深町もいるんだ。独りじゃないんだから、大丈夫だよ」
そう言って、優しく和奏にキスをする。
その時、携帯が鳴った。
急なことで、オレも和奏も体が震えた。
「誰?」
携帯を取り出し、画面を見るオレに、和奏は不安そうに聞いた。
「聡さんだよ」
それだけ言って電話に出た。
相手が聡さんってこともあり、少し緊張してしまった。
『林彰宏が動き出しました。明日、上司に呼ばれると思います』
急いでいるのか焦っているのか、少し早口で聡さんは言う。
「すでに上司に話しがいっているということですか?」
『そうです。それも、林彰宏が自ら報告しています。そして、部署内で収めようとしています。社長には、こちらから報告済みですけど』
「それで、上司に呼ばれるんですね?了解しました」