永遠(とわ)に果てぬ愛



『内容は、聞いておかれますか?』


「いえ。ある程度驚きも必要ですから」


『分かりました。では、お気をつけて。こちらも、証拠は持っていますので』



それだけで電話を切った。

いよいよ、明日か。


林サンが自ら報告とは驚いた。

誰かに見つけさせるのかと思っていたから。

自分が見つけたと装って、証拠も突きつけたか。



「明日、林サンに決着がつくらしい」



電話中から心配そうにしていた和奏に向かって言った。



「怜央、終わりになるの?」


「イヤ、終わらない。終わりになるのは、林サンの方」



そう、何をされても切り返せる。

聡さんの証拠とは別に、オレも掴んでいるモノがあるから。



「怜央……悪そうな顔しているよ」


「ん、自覚はしている」



明日のことを考えたら、自然と笑みがこぼれる。

得意気になっているアノ男の顔が、真っ青になる瞬間を考えるだけで楽しくなる。

そんなことを密かに考えながら、和奏と眠りについた。

明日、全てが終わることを願って……。




< 584 / 620 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop