永遠(とわ)に果てぬ愛
そんな次の日の朝、オレは先輩に呼ばれた。
「清水、課長が呼んでいる」
「え?……あ、はい。分かりました」
課長が呼んでいるのに、何で先輩に言われるんだろうと首をひねってしまう。
「お前……辞めさせられるぞ」
それだけ言って、先輩は仕事に戻った。
どうやら、全てを知っているらしい。
止めることはせず、それでもオレを心配するか。
複雑な立場だよな。
そう思いながら、指定された会議室へ行った。
そこには、課長と係長という部署内のトップ3のうちの2人がいた。
なるほど、本当に内で収めようとしているな。
部長がいないのが、それを証明している。
今更そんなことしても仕方ないのに。
ここに来る前に、聡さんと父さんには連絡しておいた。
オレは、独りじゃない。
「なぜ、呼ばれたのか分かるか」
課長が優しく声をかける。
オレは、少し考えたのち首を振る。
「これが何か分かるよな?」
そう言って見せられたのは、会社の帳簿だった。
「会社の帳簿……ですよね?それが、どうかしたんですか?」
「……とぼけているのか?」
優しそうな表情や声が一気に歪んだ。