永遠(とわ)に果てぬ愛
だけど、それは一般社員を相手にした場合のこと。
オレにそれは通用しない。
「そう言えば、誰もが退職すると思っているんですか?」
写真を投げ捨てるように課長へ向けた。
その態度が気に食わなかったのか、係長が机を力いっぱい叩く。
「上司に向かって、その態度はなんだ!?だいたい、謝罪はないのか!?」
「そんなのありません。オレはやっていないですから」
「これだけ証拠がそろっていて、何を言っているんだ?」
帳簿の上に投げ捨てた写真をドンと置いて、オレに見せつける。
「聞きますけど、これを持ってきたのは誰ですか?」
「そんなこと、言う訳がないだろう」
それは、当然の回答だ。
誰だって簡単には言わないだろう。
「まぁ、誰かは分かっているからいいですけど。この証拠とやらを、簡単に信じるんですか?」
「何を言っているんだ。これ以上の証拠はないだろう」
「この写真が、合成とかは考えないんですか?」
「なに?」
課長と係長の顔色が変わった。
そんな考えは、全然なかったようだ。
「オレが誰と付き合っているか知っていますよね?そして、その彼女に誰が手を出しているのかも。……有名ですもんね」