永遠(とわ)に果てぬ愛
「あ、そうそう。ここにいる全員を連れて来いと言われたんだ。あの男も呼ばれていますよ」
「……呼んだのは、社長ですね?」
オレの言葉に、2人の体は震える。
そして、より一層顔が青ざめる。
「さすがですね。正解です。さあ、行こうか」
青ざめて震える2人を、有無言わさず部長は連れて行く。
オレもそのあとをついて行った。
着いた先は、社長室の隣にある会議室だった。
そこには、社長と秘書である聡さん、そして今回の真犯人である林サンがいた。
林サンは、微かに笑っているのが見て取れる。
「さて、全員そろったから話しをしましょうか」
あきらかに外面で話し始めた社長。
その笑顔が怖いんだけどな。
「あなた方2人は、こちらの林さんの情報提供により、清水くんが会社のお金を横領したと思ったんだよね?」
部長が優しい笑みと共に言う。
この人もすげぇな。
こんな時でも表情を崩さねぇ。
「あ、はい……。これだけ証拠がそろっていれば、疑う余地はありませんから……」
「証拠ねぇ……」
社長が差し出された写真とかを見る。
その近くでは、林サンが勝ち誇った顔をしている。
ここに呼ばれた時点で、負けは決定しているのに。