永遠(とわ)に果てぬ愛
「佐々木」
「はい」
社長が聡さんを促して、聡さんは何かを全員の前に広げた。
「では、これはどういうことでしょうね」
部長が一つを手に取り、課長と係長の前に差し出す。
それを見て、驚いたように林サンを見る。
林サンはそれに気づき、机に広げられたモノを見る。
そのとたん、青ざめる。
「これは、林さんが利用していた中井くんが持っていたものです。
コレを処分しなかったのは失敗ですね」
机に広げたモノ、それはオレに証拠として見せられた写真と同じ構図をしていた林サンの写真だった。
中井とは、あの新入社員のことだろう。
「あと、会社のパソコンでやるのは間違っていますよ。合成データや帳簿の書き換えのデータが全て残っていました」
聡さんにスラスラと暴かれて、言葉を失っている。
やることが間抜けすぎる。
自ら首を絞めているじゃないか。
「何で、清水怜央の写真で信用してくれないんですか。何で、社長まで出て来るんですかっ」
言い訳は、もう出来なかった。
否定する余地すらないけど。
「はぁ……。林サン、まだ分かっていないんですか?アンタが、ブラックリストに載っていることに」