永遠(とわ)に果てぬ愛
だけど、それについて話しはない。
私から言い出すのも気が引ける。
怜央の気持ちを疑っている訳ではない。
それでも、不安なんだ。
何も話しがないのは。
それだけ、私は怜央に溺れている。
怜央がいないと生きていけないほどになっているんだ。
そんなある日、突然外食しようと怜央が言い出した。
仕事を定時で終わらせて、会社の入口に集合だと。
怜央にしては珍しいことだった。
いつもなら迎えに来るのに。
案の定、私が1人で帰ろうとしているのを見て、男が寄って来る。
“ご飯行こう”だの、“飲みに行こう”だの。
バカなヤツは、“ホテルに行こう”なんて言ってくる。
そんなの無視しながら、足早に会社の入口に向かった。
そこまで行けば、安心出来ると思ったから。
「和奏ー!」
入口付近まで行くと、大声で呼ばれた。
そこにいたのは、怜央ではなく莉奈だった。
「莉奈ー、久しぶり……でもないか」
専門学校へ行っている莉奈は、卒業へ向けて頑張っているところだ。
髪をいじることが好きで、ヘアメイクを勉強しているらしい。
「ちょっと、俺たちが先約なんですけど」
ついてきた男たちが莉奈に向かって言っている。
約束なんてした覚えはないけど。