永遠(とわ)に果てぬ愛
「それ。結構しつこかったんでしょ?天羽の我慢も限界だろうね」
「あの独占欲の塊が我慢なんて出来る訳ないよ」
「それは、直輝にも言えることでしょ」
いつの間にか、勝手に2人で話し始めている。
私は、よく意味が分からない。
これからどこへ行くのかも、話しの意図も。
私は黙って、ただ窓の外をじっと見つめていた。
2人の会話を聞いていると、なんでも知っているように聞こえる。
私は、何も聞いていない。何も知らない。
私は全部話しているのに。
喧嘩しないようにと思ったけど、逆に話しすぎなのだろうか。
それで、嫌になっているとか……。
「和奏?」
「ん?」
考え込んでいたら、急に莉奈に呼ばれた。
振り向くと、なぜか驚いた表情をしている。
「ちょっと、何で泣いてんのよっ」
「え?」
莉奈が何を言っているのか分からない。
ちょっと気分は下がったけど、泣いている訳じゃないのに。
そう思いながら、自分の頬に触れる。
「あれ?濡れている……?」
「だから、泣いているんだって」
呆れたように言われるけど、私に泣いている自覚はない。