永遠(とわ)に果てぬ愛



自分でも、何で泣いているのか分からない。

思った以上に、ダメージを受けているのだろうか。



「和奏、何で泣いているの?」


「……莉奈はなんでも知っているんだって思って。私は、何も聞いていないのに。私は、何でも話しているのに。でも、逆にそれがウザかったのかなって思ったら……」



思っていたことを口にしたら、涙が止まらなくなった。



「それは、直輝が聞いているだけだからね。アタシは、直輝から勝手に聞いているだけだから」


「だよね。高校の時からそうだもんね。そんなこと今更だよね。
何でだろう……。欲張りになったのかな」



なんとか話せているものの、涙は止まらない。

拭っても拭っても、溢れてくる。



「天羽のヤツ……絞める」


「莉奈、コレは怜央だけが悪いんじゃないと思うよ。俺たちも聞きすぎているよ」


「……まぁ、和奏のこと考えずに聞いていたからね。和奏、ごめん」


「え?あ、イヤ、ごめんっ。私が勝手に泣いているだけだから」



莉奈に謝られて、焦って私も謝った。

2人が悪い訳でも、怜央が悪い訳でもない。

私が勝手に思い込んでいるだけ。




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