永遠(とわ)に果てぬ愛



「和奏ちゃん、怜央はウザいとか思っていないよ。むしろ、黙っていたらそっちの方が怒ると思う。男については特に。
それだけ、和奏ちゃんが好きなのは間違いないから」



八塚くんが運転しながらも、優しい言葉をかけてくれる。



「うん、ごめんなさい」



他の誰に言われなくたって分かっているつもりだった。

こんなことで不安になるなんてダメだね。



「とりあえず、泣き止んでくれるかな。ソレ見られたら、怜央に怒られるから」



凄い真剣な目をして言うから、おかしかった。



「あれ?何で目が赤い?」



笑っていると、いきなり後ろから抱きしめられて、耳元で声がした。

気づけば、車は止まっていた。



「怜央っ。中で待っているんじゃなかったのか?」


「そのつもりだったんだけど、落ち着かなくて」



八塚くんの言葉で怜央だって分かったんだけど、抱きしめたまま会話は進んでいる。



「悪い。少し遅くなったね」


「イヤ。また、和奏が捕まっていたんだろう?」


「さすがだね。まぁ、男の方が好き勝手言っていただけだけど」


「やっぱり、1人にするのはダメだなぁ。隙あらばだから嫌になる」


「それも、もうなくなるでしょ。そのための今日なんだから」




< 599 / 620 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop