永遠(とわ)に果てぬ愛
「和奏ちゃん、怜央はウザいとか思っていないよ。むしろ、黙っていたらそっちの方が怒ると思う。男については特に。
それだけ、和奏ちゃんが好きなのは間違いないから」
八塚くんが運転しながらも、優しい言葉をかけてくれる。
「うん、ごめんなさい」
他の誰に言われなくたって分かっているつもりだった。
こんなことで不安になるなんてダメだね。
「とりあえず、泣き止んでくれるかな。ソレ見られたら、怜央に怒られるから」
凄い真剣な目をして言うから、おかしかった。
「あれ?何で目が赤い?」
笑っていると、いきなり後ろから抱きしめられて、耳元で声がした。
気づけば、車は止まっていた。
「怜央っ。中で待っているんじゃなかったのか?」
「そのつもりだったんだけど、落ち着かなくて」
八塚くんの言葉で怜央だって分かったんだけど、抱きしめたまま会話は進んでいる。
「悪い。少し遅くなったね」
「イヤ。また、和奏が捕まっていたんだろう?」
「さすがだね。まぁ、男の方が好き勝手言っていただけだけど」
「やっぱり、1人にするのはダメだなぁ。隙あらばだから嫌になる」
「それも、もうなくなるでしょ。そのための今日なんだから」