永遠(とわ)に果てぬ愛
思いの外、普通に聞いていて安心した。
容体が悪化する恐れもあったから。
それとも、これは強がりだろうか。
駆け落ち同然で結婚したのだから、泣きわめきたいはず。
それを、押さえているのだろうか。
「和奏……」
お母さんの様子を見ながら考えていた私に、お母さんが呼びかけた。
「何?」
そう言うと、お母さんが小さな紙切れを、渡した。
どこかの電話番号のようだった。
「私の実家よ。
そこへ連絡しなさい。これからのことを相談するといいわ」
「えっ……でも……」
「話しぐらいは、聞いてくれると思うわ」
お母さんはそう言うけど、面識がないわたしが電話したところで、相手にしてくれるとは思わなかった。