永遠(とわ)に果てぬ愛
八塚くんがそう言うと、私を抱きしめる怜央の力が強くなった気がした。
八塚くんと莉奈を見ると、満足そうに笑っている。
「とりあえず、中に入ろうか」
そう言って怜央が車から降りた。
そして、私に手を差し伸べる。
少しだけ戸惑いつつも、その手を取り車から降りる。
「じゃあ、頑張ってねー」
いつの間にか莉奈は助手席に座っていて、そこの窓を開けて手を振っている。
え、本当に2人は送るだけなの?
「2人共、サンキューな。
でも直輝、和奏を泣かすのは余計」
「あ、バレてた?だけど、何も言っていない怜央も悪いから」
「あー、そういうこと。分かった」
何かに納得した怜央は、八塚くんたちに手を振ったあと、私の繋いだままの手を引き、ホテルの中へ入って行った。
周りに挨拶をされながら、エレベーターに乗り込み上に行く。
ここは、覚えがある。
怜央に告白されたあのホテル。
つまり、怜央のお父さんがオーナーをしているホテルだ。
ここへ来るのはあの時以来。
いつでも来ていいよとは言われていたけど、なかなか来る機会がなかった。
怜央と外食する時だって、ここに来ることはなかった。