永遠(とわ)に果てぬ愛



何で、今日に限ってここなのだろう。

今日は、別に特別な日でもなんでもない。

私の誕生日にはまだ早いし、怜央の誕生日な訳でもない。


不思議に思いながらも怜央について行くと、あの時のレストランに入った。

あの時と同様、店長さんに挨拶をされ席についた。

料理も当然のように決まっていたみたいで、次々と出て来る。

相変わらず美味しいし、景色もいい。

なぜここにしたのか未だに分からないけど、楽しく食事が出来ているからいいや。


そんなことを思っていると、急に怜央が真剣な顔をした。



「ごめん」



なんの前触れもなく、急に謝られた。

そんな怜央に、戸惑いながら不安が広がってゆく。



「和奏は何でも話してくれるのに、オレは何も話していない。不安にさせたみたいで悪い」



そう言われて、ようやく何を指しているのか分かった。

さっき泣いていたことだ。

泣いていたのも、その理由も分かっていたみたいだから。



「あ、いいよ。怜央だって、言いたくないことだってあるだろうし。彼女だからって、何でも聞いていい訳じゃないし」


「別に、聞かれて困ることはない。ただ……かっこ悪いっていうか……」


「かっこ悪い?」




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