永遠(とわ)に果てぬ愛
珍しく歯切れの悪い怜央に、私は首を傾げる。
何を聞かれてもスラスラ答えるのに。
「オレ、和奏に告白した時言ったよな?20歳になったら結婚しようって」
その言葉にドキッとした。
何も言わなかったけど、ちゃんと覚えていたんだと安堵しながら頷く。
「本当は、和奏の20歳になる誕生日に言おうと思っていた。だけど、思ってもみない邪魔なヤツが現れて、なんかもう我慢出来なくて。誕生日まで待っていられなくて」
早口にそう言ったかと思えば、小さな箱と1枚の紙が目の前に置かれた。
えっ、と怜央を見ると、私を真っ直ぐ見ている。
「約束にはまだ早いけど、オレはこの先ずっと変わらないから。和奏だけを見ている。
だから水城和奏さん、オレと結婚して下さい」
約束の20歳までは、あと1ヶ月あった。
だから、まさかこのタイミングでプロポーズされるとは思わなくて、正直驚いた。
早口や歯切れの悪さからも、普段の怜央とは違うことが分かる。
緊張とかではなく、焦っている。
それが見て分かる。
それだけ、林さんの存在は脅威だったのかもしれない。
「和奏?」
いつも自信満々の怜央が、少し黙っているだけで不安を見せる。