永遠(とわ)に果てぬ愛



何を1人で不安に思っていたのだろう。

怜央が私を好きだって、自信を持って言えていたはずなのに。

私は、学生の時から何も成長していないのかもしれない。



「私……勘違いとか思い込みとか多くて、怜央に迷惑かけることも多いと思う、よ?」


「それが和奏なんだって分かっているから。
それにもう、勘違いさせるようなことはしない。何でも話すから」



私の言葉にスラスラと答える。

だけど、必死な感じは変わらない。

大丈夫。正直に話せば、怜央もちゃんと返してくれる。

私を分かってくれる。


私は姿勢を正し、真っ直ぐ前を見る。



「さっきも言った通り、迷惑をかけることが多いと思う。
だけど、いくら新しい男が現れても私も変わらない。怜央だけが好きです。
こんな私でよければ、よろしくお願いします……」



ちゃんと最後まで言おうと思ったのに、自然と涙が出てきてしまった。

そんな私を、怜央は隣に来てそっと抱きしめる。



「こんな、なんて言うな。オレは、和奏だから好きになったんだ。他は何もいらねぇから」



耳元でそんなことを言ったかと思えば、私の左手を取り薬指にそっとキスをした。




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