永遠(とわ)に果てぬ愛



『社長が公表してしまったので改めて、私天羽怜央は隣にいつ水城和奏さんと結婚致しました。
社長も言われた通り、今後手出しは許しません。別に恋愛するなとは言いませんが、仕事に支障をきたすようなら考えます。もちろん、全社員に対してです』



怜央も、社長と同じくはっきり言い切った。


仕事に支障が出るような恋愛は、若い子にはよくあった。

表情に出ているだけならまだしも、態度に出ている人もいた。

その人には、こっちが気を遣わないといけなくて、正直めんどくさい。

恋愛禁止なんてどうかと思うけど、プライベートと仕事を一緒にしてしまうなんてありえないから。


私にちょっかいをかけていた男たちも、今後は何も出来ないだろう。

こっそりやったところで、私は全て怜央に言うのだから。


そんな発表があり、ざわついた中、朝礼は終わった。

同じ部署の人からは、ぎこちないながらにも「おめでとう」と言われた。

私に告白してきた男たちは、青ざめた表情で謝ってきた。


その後、男たちは一切何もしてこなかった。

少し拍子抜けした。

結局、すぐ諦められるようなちっぽけな気持ちだったんだ。

そんなんじゃ、誰も振り向かないと思うけど。

そんな毒も吐いてみる。




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