永遠(とわ)に果てぬ愛



結婚式から数日後、体に異変があった。

緊張が続いたせいで、今頃出てきたのだろうか。



「水城さん?少し顔色悪いけど大丈夫?」



仕事中に、先輩に言われた。



「はい、大丈夫です。たぶん、式の緊張疲れだと思うんで」


「ああ、社長の息子との式だもんね。お偉いさんがいっぱいいたでしょう?」


「知らない人がいっぱいでした。もう、誰が誰だか……」


「だろうね」



私の言葉に、先輩は笑っている。

先輩の友達に私のような人がいるらしく、式の話しはしていた。

けど、想像以上だったんだ。

緊張しすぎていて、料理の味も、誰と話したのかも覚えていない。



「でもまぁ、顔色悪いから今日は早く帰りなよ」


「はーい。ありがとうございます」



そう笑顔で言ってみるものの、気持ち悪いのは変わらない。

吐きたいようでそうじゃないような。

ムカムカするような気もするけど……。


結局、定時まで我慢することが出来なくなった私は、早退することにした。

怜央に心配かけてしまうけど、一応連絡入れて1人で帰った。




< 616 / 620 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop