永遠(とわ)に果てぬ愛
「風邪でもひいた?」
心配そうに聞かれた。
「あ、違うよ。
両親が亡くなっちゃって……それで」
つとめて明るく言うけど、やっぱり今でも辛い。
「そっか。辛かったね……」
そう言って、優しくポンポンと頭を叩いた。
そんな状況に、少し照れてしまう。
「ちょっとー、2人の世界に入ってない?」
そんな私たちの間を、莉奈が割って入った。
もちろん、莉奈は私の気持ちを知っている。
だから、これはわざと。
私は、苦笑いをしてしまう。
こんな些細な出来事に、幸せを感じていた。
和奏と話しているはずの悠真は、なぜか違うところを見ていた。
そして、微かにニヤリと口の端が上がった。