永遠(とわ)に果てぬ愛
和奏が来た時のことを思い出す。
父さんの言う通り、だいぶん母さんが喜んでいた。
それは、オレも嬉しかった。
自分の好きな人が認めてもらえているようで。
「まぁ、私は口出ししない。宝来の方も、ほっておく。
自分自身で捕まえるんだな」
「分かっているよ。
わがまま聞いてくれて、ありがとう」
そう言って、社長室を出た。
それから、とりまとめた資料を他の社員に渡してから、家に帰った。
家に帰ったとたん、いい匂いがした。
食欲がそそられる、いい匂いだ。
匂いの元へ向かうと、キッチンには和奏がいた。
どうやら、和奏が食事を作っていたらしい。
手伝いは見当たらないから、1人でやると断ったのか。