永遠(とわ)に果てぬ愛



「何で、そんなに逃げようとする?」


「だって、恥ずかしいのっ」


「今は、オレらしかいないよ?
誰も見ていないのに?」



そう言うと、悔しそうに黙り込んだ。


どうしても、逃げたいらしい。

それはそれで、少し傷つく。

顔を赤くしていても、少しも好意を持たれていないから。



「私、好きな人いるからっ」



そんな時、急に和奏が言った。

オレは、知っていたことだった。

それでも、改めて本人の口から言われると、落ち込んでしまう。



「うん、知っているよ」



それを聞いた和奏は、すごく驚いている。



「仲良さそうに話しているもんな。越智悠真と」



相手の名前を出すと、血の気が引いたかのように青ざめている。




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