永遠(とわ)に果てぬ愛



けど、根本的なことを思い出したらしく、怒るように振り向きながら言うのを、オレは捕らえた。


抱きしめているオレの腕を掴んで、引き剥がそうとしているけど、動く訳がない。

体で抵抗はするけど、口は一切抵抗していない。

それどころか、息を止めてしまっている。



「息、しろよ」



少し唇を放してそう言うと、和奏はようやく息を吐いた。



「出来ないよ」



小さく呟いた。


唇は放したけど、顔は近いまま。

それが恥ずかしいのか、目をそらしている。

そして、顔は真っ赤。



「鼻ですればいいだろ?」



そう言って、またキスをする。

好きなヤツがいると言いながらも、逃げないらしい。

唇を噛まれることもない。




< 85 / 620 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop