あの日に戻れるなら…
1年前

ミーンミーン…
蝉が鳴いてるこの暑い9月中旬のこと。

私は5歳から付き合いの幼馴染、仲田 華純(仮名)と地元のお祭りに行く約束をしていた。

この頃、華純はアルバイトが忙しくてあまり連絡が取れなかった。

何時に何処で待ち合わせなのか分からなかったので早めにお祭り会場の近くの駅に向かった。

地元バス停からバスで20分…

イヤホンをして音楽を聴いてる時…

ブー ブーブー…

電話だ。

直感が当たり電話してきたのは華純

バスの中だろうが気にせず電話にでた。

『あ、菜巳ー?今、何処?』

「バスの中」

『え?!何処行ってんの?!』

「お祭り会場の近くのH駅」

『あらら、、私、21時にバイト終わるからそれまで時間つぶしといて!』

まじか…今17時だよ?
どうしよう…あと4時間…

まぁ、何とかなると思い…

「あー、了解〜」

『ごめんねー?バイト終わったらすぐ電話するね!』

「はいは〜い」

電話をきりひとまずH駅に着くまで
バスに揺られ外を眺めた。

(まもなくH駅到着いたします……)

バスの運転手のアナウンスがあり1分もしないうちにH駅に着いた。

私はバスを降りて少し歩いたとこにあるベンチに腰をおろしこれからどうするかを考えた…

すると携帯が鳴った。

また電話か…

「もしもし」

電話の相手は地元の友達、麻里香だった。

『今、暇?』

お?暇ですとも!!!

「うん、運よく死ぬほど暇だよ!」

『今、H駅の近くのカラオケにいるんだけど来ない?』

カラオケ?!聞いてない…

にしても誰といるのかな?
と思い聞いてみた。

すると…

『女は私一人で男が四人いる!一人すんごいイケメンだよ!』

イケ…メンか…んまぁ、イケメン好きだし
行ってみる価値もあるな。

「うん!行く!行きますとも!んで、何処のカラオケなの?」

H駅の近くのカラオケと言われてもカラオケあまり行かないからわかんなかった。

『あー今何処?近くにいたら迎えにいくけど…?』

「いま、H駅いるよ。」

なんて運がいいんだ!

『あらーそんなにカラオケ来たかったの?にやり』

は?なにいってんだ麻里香。

『とりあえずH駅の横にある郵便局の前にいて!迎えにくるから!じゃぁね!』

と麻里香は早口で言うなり電話を切った。

とにかく私は郵便局の前に向かって歩き出した

郵便局の前に着き5分くらい経った時。

私の名前を呼ぶ麻里香の声がした…
その声がどこから聞こえるのか分からないからきょろきょろしてたら後ろから肩を叩かれた。

後ろには麻里香…だけではない。

知らない男の人。

私は極度の人見知り…

恐る恐る麻里香の耳横で誰と聞いた。
すると麻里香も私の耳横でこう言った…

元カレ

元カレ?はい?

「菜巳!カラオケに戻るぞ!」と麻里香は張り切り私の手を取り歩き出した。

その…麻里香の元カレさん?は後ろから静かに着いて来た。

歩き始めて3分で目的地であるカラオケに到着

「菜巳!3階だよ!仁くん楽しみにしてたよ、菜巳がくるの!にやり」

仁…くん?

「仁くん?誰?」

私はその仁くんが気になりつつ聞いてみた。

麻里香は言った。

「のぞむの学校の友達だよ!電話で言ってたイケメン君!」

のぞむくんは麻里香の元カレさんの名前

のぞむくんは歳が二つ上だからその仁くんって人も二つ上なのかな…

カラオケの支払いを先に終わらせエレベーターに乗った。

私は仁くんって人を気になりながらボケーっとしてたみたいで麻里香に言われた。

「なにボケーっとしてんの?なに?緊張してんの?にやにや」

麻里香は私をバカにしてくる…

「き、緊張なんてしてないよ!」

と答えた。

だけど、麻里香にはバレバレだった…

「菜巳、バレバレ!緊張してんでしょ?よし!菜巳に試練を与える!04号室。エレベーター降りて左に曲がってすぐの部屋!菜巳が最初にドアをあけて入ること!」

はぁー?!なにいってんの?!

「無理無理!そんなの無理!」

「無理じゃなーい!私たちは部屋に行く前にトイレに行くから先入ってなさい!わかったね?」

うー…

「はい、わかりました」

私はいじけながらも緊張してて震える手でドアを開けた……

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