あの日に戻れるなら…

薄暗い道をただひたすら歩いていく…

麻里香とのぞむくんは仲良さそうにはしゃぎながら歩いてる。

リスさんはその二人に羨ましいとかいいながら歩いてる。

私はその中一人で歩くはずだったんだろう…

だけど、仁くんが気をつかってくれてるのか少し距離はあるけれど横を歩いてくれてた。

それがとても嬉しくてみんなにばれないようにひそかに笑ってた。



歩いて15分くらいのところに
茶色いレンガで建てられたアパートがあった。

みんなは慣れたようにアパートの階段を登っていった。

私はおどおどしながら着いて行ってると…

え?

仁くんが私の肩に腕を組んだ。
とても近くに仁くんが…

「菜巳ちゃん、そんなに小動物みたいにしてると襲うよ?」

へ?
襲う?どういうことーー?!

「冗談だよ!菜巳ちゃんは可愛いすぎなんだよ。ほら、行こう!」

といい仁くんと肩を組んだまま階段を上がりリスさんの家にお邪魔した。

「お邪魔しまぁす。」

リスさんは適当に返事をした。

私は立ったまま黙りこんでいた…

「菜巳ちゃん、座り?もちろんここね?俺の横!」

カラオケと同じく指定席…ってよりも特等席って思ってもいいかな?

私はカラオケからの出来事を高校の友達にメールで伝えていた。

リスさんの家に来てずっと握ってた携帯がすっと目の前から消えた…

ん?あ、仁くんが私の携帯握ってる?!
なんでなんでー?!

「ちょっと待ってねー…よし、これでおっけい!」

と言われ携帯を返された。

何をしたんだろう…

色々探ってみると…アドレス帳に 新鬽 仁 …?

仁くんの名前が?!

私はびっくりして仁くんを見た。

「嬉しいでしょ?これでいつでも連絡とれるよ。」

仁くんからこんなにガツガツ来るなんて…
嬉しくて嬉しくてドキドキしてる心臓の音が仁くんに聞こえてないかそわそわしてた。

「なぁ、リス!明後日、このメンバーで宅飲みしようぜ!」

と仁くんは張り切って言った。

このメンバーってことは…もちろん私もか!

また仁くんと会えるの?と思いかすかに笑う。

リスさんはその提案にすぐ賛成し計画を立て始めた。


みんなで色んなこと話して音楽聴いたりしてあっというまに時間は過ぎていった…

私は華純と合流しないと時間になったので
リスさんにお邪魔しましたと言い一人で外に出た。

だけど…道が分からない。

どうしよう…大通りに出ないとタクシーも通らないよな…

と携帯のナビを開こうとすると

後ろに麻里香とのぞむくんがいた。

「大通りまで送っていくよ!こんな可愛い菜巳を一人でこんな夜道を歩かせるなんて私にな出来ない!」

と麻里香が言ってくれて私と麻里香とのぼむくん三人で大通りまで歩いた。

大通りに出るとすぐにタクシーが捕まり私はタクシーに乗った。

麻里香とのぞむくんは手を降って見送ってくれた…

だけど、一つだけ疑問があった…

なぜ仁くんが送ってくれなかったのか。

私は考えすぎなんだろうか…
きっとそうだよね…

自分って本当ばか。

そして、華純と合流してお祭りを回って色々買って写真をとったりしてたけど…仁くんのことが頭から離れなかった。

私は明後日が待ち遠しい…

華純とバイバイし、家に帰り仁くんのことを考え眠りについた……




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