あの日に戻れるなら…
宅飲み


私は次の日も仁くんのことを考えながら学校に行った。

授業中も仁くんのことが頭から離れない



気づくと家に帰ってきていた。

胸がドキドキしてるのが原因なのかご飯も残した…



明日…か…

でも、何も聞いてないな

リスさんの家に行く道も暗かったし
覚えてない…

そう考えていたら携帯が鳴った

新鬽 仁…あ!仁くんだっ

慌てながら電話に出た。

「はい…」

『あ、菜巳ちゃん?明日の事なんだけどH駅に迎えに行くから20時くらいに改札口前に来て!』

え?迎えに来てくれる…?

仁くん一人でかな…
急に二人っきりなんてないよね!

そう思い眠りについた。



次の日私はいつもより早く目が覚めた

ゆっくり準備をし軽くメイクして
おしゃれはしないけど家着で
ましな洋服をきて家を出た。

「おーい」

ん?どっからか声が聞こえる

「おい、お前こんな時間からどこいくんだよ」

声が近づいてきて後ろをみると
中学3年生のときに付き合っていた人がいた。

「だから、聞いてんの?どこいくんだよ」

しつこいな…聞いてるよこの私でも。
めんどくさく返事をした。

「関係ないでしょ」

早く行かないと仁くんを待たせちゃう…

「ふーん、そっ。まぁ、気をつけろよー?」

ん?付き合ってた頃はこんなに優しく
なかったのにな。

とりあえず!急がなきゃ!

早歩きでバス停まで向かう。

気づくとバスの外からH駅が見えてきた
どうしてこんなに時間が過ぎるの
早いんだろう…

少し緊張しながらも改札口前に向かった。

すると…どんっ!
いたたたたっ

前から来た人にぶつかってしまった。

「すみません」

と一言だけ謝罪し、ぶつかった人を
除けて改札口前に行こうとすると…

へ?前が見えない!あ、香水の匂いがする。

「菜巳ちゃん、前見て歩かないと。
ぶつかったのが俺でよかったー!って
俺からぶつかったんだけどな!」

顔をあげて見てみると…仁くんだった。

「仁…くん?」

待って、今仁くんの胸の中だよね?
ふと思い出したら顔が熱くなった。

「あぁ、ごめんごめん!危なかしいから
捕まえちゃった!」

仁くんは笑いながら歩きだした…



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