婚恋
複雑な思い
「春姫…まだ時間あるか?」
さっきまでの陽気な様子はほとんどない。
多分真面目な話。
ってまさか・・・さっきの彼女って言った事と関係あるのかも・・・
「大事な話?」
「大事っていうかさ・・・今日の飲み会ってさ、陸からの誘いだったんだわ。
彼女が出来たって言ってさ、・・・俺はてっきり陸はずっと春姫の事が
好きだと思ってたから・・・だからびっくりしてさ・・・
春姫には悪いと思ったけど、陸の反応が見たくて今日春姫に来てもらった。」
私は唖然とした。
まさか陸が私の事を好きだとか・・・そんなこと
あり得ないって
今までだってそんな素振り一度だって見せなかった。
どちらかと言うと私の事を女だと思っている様にも見えない。
そんな陸が私の事を好きだとは天地がひっくりかえってもあり得ない。
「でも・・・違ったでしょ?今日の様子見ればわかるじゃない。
百恵さんと凄く仲よさそうで・・・」
「違う・・・それは違うよ。春姫・・・俺はやっぱり陸は春姫のこと
好きだと思う・・だけど・・・あいつは春姫に好きだって言わないだろうな・・・」
「え?」
松田君の言っている意味がわからなかった。
「多分あいつは春姫の今よりもずっと変わらないものを選んだんだよ。」
「変わらないもの?」
「練習も活動もしてないのにバンド…解散しないで無期限活動中止とか
普通あり得ないだろ?だけど陸はそうした。それが春姫との唯一の繋がり
だからだよ。もし好きだと言ってそれがダメになったら?そうなったらきっ
と春姫との関係はそこで終わり。
だからあいつは春姫と友人、メンバーでいることを選んだんだ」
そこまで深く考えているとは思えなかった。
だけど今日の態度は正直ムカついた。
明らかに私を避けていた。
「松田君それ考えすぎ。」
「春姫?!」
「陸が私の事を好きだなんてマジでないから。
松田君こそ人のことよりも早く彼女見つけなさいよ。」
「春姫は?春姫は・・・好きな男いるの?」
「・・・・いない。それに要らない・・今は」
私は後ろを向いたまま手をひらひらさせてそのまま松田君と
別れた。
『春姫は悪くない』
そう言って私にキスをした陸・・・・
1年半経った今もあの時の感触が頭から離れない・・・・
でも理由はわからない。
違う・・・
理由を知るのが怖いから・・・
今日の飲み会に参加したことを私は心底後悔した。
************************************
百恵を家まで送り届けると自宅に戻った。
俺はソファーに倒れこむように寝転がった。
疲れた・・・・
百恵を送ったからっていうのもあるが
それだけではなかった。
松田が春姫を連れてくるからだ。
しかもまじであいつら付き合ってたのかよ。
ショックだった。
1年半前、俺は春姫にキスをしてしまった。
俺はずっと春姫が好きだった。
たぶん、高校生の頃からだと思う。
だけどそれを表に出そうとは思わなかったし
これからもその気持ちは変わってない。
もし春姫が俺以外の男と結婚しても
友人としてなら長くつきあえる。
友人ならよっぽど酷い喧嘩をしなければ崩れることはない。
だけどこれが恋愛となると話は変わる。
だから俺は友達を選択した。
誤算だったのはあいつの結婚がなしになった時だ。
あの時、気持ちが一瞬揺らいだ。
あいつを欲しいと思った。
だけどそれが間違いだった。
それから連絡を取らないまま1年半が経って
久しぶりに会ったかと思えば
松田の彼女とか・・・・どうなってんだよ。
自分の動揺を気付かれたくなくって
百恵とばかり話をしていたら結果的に春姫を避ける様な形になった。
百恵とは付き合っていない。
百恵に頼まれて付き合っているふりをしている。
彼女にも好きな男がいるらしく
1ヶ月ほど前に派手に振られたらしい。
諦めきれない百恵は俺に彼氏役を頼んだ。
その男に見せつけたいからとお願いされた。
だけど俺一人じゃ自信がなくて松田に飲みに行こうと
誘ったら・・・これだ・・・
俺は一体これからどうしたいんだろう。
何をしたいんだろう。
すると電話が鳴った。
松田からだ・・・
さっきまでの陽気な様子はほとんどない。
多分真面目な話。
ってまさか・・・さっきの彼女って言った事と関係あるのかも・・・
「大事な話?」
「大事っていうかさ・・・今日の飲み会ってさ、陸からの誘いだったんだわ。
彼女が出来たって言ってさ、・・・俺はてっきり陸はずっと春姫の事が
好きだと思ってたから・・・だからびっくりしてさ・・・
春姫には悪いと思ったけど、陸の反応が見たくて今日春姫に来てもらった。」
私は唖然とした。
まさか陸が私の事を好きだとか・・・そんなこと
あり得ないって
今までだってそんな素振り一度だって見せなかった。
どちらかと言うと私の事を女だと思っている様にも見えない。
そんな陸が私の事を好きだとは天地がひっくりかえってもあり得ない。
「でも・・・違ったでしょ?今日の様子見ればわかるじゃない。
百恵さんと凄く仲よさそうで・・・」
「違う・・・それは違うよ。春姫・・・俺はやっぱり陸は春姫のこと
好きだと思う・・だけど・・・あいつは春姫に好きだって言わないだろうな・・・」
「え?」
松田君の言っている意味がわからなかった。
「多分あいつは春姫の今よりもずっと変わらないものを選んだんだよ。」
「変わらないもの?」
「練習も活動もしてないのにバンド…解散しないで無期限活動中止とか
普通あり得ないだろ?だけど陸はそうした。それが春姫との唯一の繋がり
だからだよ。もし好きだと言ってそれがダメになったら?そうなったらきっ
と春姫との関係はそこで終わり。
だからあいつは春姫と友人、メンバーでいることを選んだんだ」
そこまで深く考えているとは思えなかった。
だけど今日の態度は正直ムカついた。
明らかに私を避けていた。
「松田君それ考えすぎ。」
「春姫?!」
「陸が私の事を好きだなんてマジでないから。
松田君こそ人のことよりも早く彼女見つけなさいよ。」
「春姫は?春姫は・・・好きな男いるの?」
「・・・・いない。それに要らない・・今は」
私は後ろを向いたまま手をひらひらさせてそのまま松田君と
別れた。
『春姫は悪くない』
そう言って私にキスをした陸・・・・
1年半経った今もあの時の感触が頭から離れない・・・・
でも理由はわからない。
違う・・・
理由を知るのが怖いから・・・
今日の飲み会に参加したことを私は心底後悔した。
************************************
百恵を家まで送り届けると自宅に戻った。
俺はソファーに倒れこむように寝転がった。
疲れた・・・・
百恵を送ったからっていうのもあるが
それだけではなかった。
松田が春姫を連れてくるからだ。
しかもまじであいつら付き合ってたのかよ。
ショックだった。
1年半前、俺は春姫にキスをしてしまった。
俺はずっと春姫が好きだった。
たぶん、高校生の頃からだと思う。
だけどそれを表に出そうとは思わなかったし
これからもその気持ちは変わってない。
もし春姫が俺以外の男と結婚しても
友人としてなら長くつきあえる。
友人ならよっぽど酷い喧嘩をしなければ崩れることはない。
だけどこれが恋愛となると話は変わる。
だから俺は友達を選択した。
誤算だったのはあいつの結婚がなしになった時だ。
あの時、気持ちが一瞬揺らいだ。
あいつを欲しいと思った。
だけどそれが間違いだった。
それから連絡を取らないまま1年半が経って
久しぶりに会ったかと思えば
松田の彼女とか・・・・どうなってんだよ。
自分の動揺を気付かれたくなくって
百恵とばかり話をしていたら結果的に春姫を避ける様な形になった。
百恵とは付き合っていない。
百恵に頼まれて付き合っているふりをしている。
彼女にも好きな男がいるらしく
1ヶ月ほど前に派手に振られたらしい。
諦めきれない百恵は俺に彼氏役を頼んだ。
その男に見せつけたいからとお願いされた。
だけど俺一人じゃ自信がなくて松田に飲みに行こうと
誘ったら・・・これだ・・・
俺は一体これからどうしたいんだろう。
何をしたいんだろう。
すると電話が鳴った。
松田からだ・・・