Weekdayも会いたくて
――――カチカチカチ


時を刻む時計の音だけが、静かな部屋に鳴り響いた。


「ダメだ。眠れない」


それもそうだ、まだ21時。毎日日付が変わった頃に寝ているのに、眠れるはずが無い。


あーあー、彼は今頃何してるのかな?


いつも忙しい彼も、もう家に帰り着いたはずだ。


結局、考えるのは彼のこと。


もしかしたら誰かと楽しいクリスマスを過ごしてる?私は、こんなにも寂しいクリスマスを過ごしているというのに。


自分で考えて、想像して、泣きそうになった。


こんなにも静かな夜は、余計な事まで考えてしまう。


「…声……聞きたいな」


普段は私から電話なんてしないけど、無性に彼が恋しくて、少しでも彼を感じたくなった。


電話してもいいかな?迷惑じゃないかな。


心配になったけど、寂しさのほうが大きくて、ベッド脇に置いていたスマホに手を伸ばした。
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