Weekdayも会いたくて
再び訪れた静寂に、先ほどより寂しさが増している気がした。


あーあ、電話なんかしなきゃ良かった。






――ピンポーン





スマホをベッドの上に置いたと同時に鳴ったチャイム。


こんな時間に誰だ。


涙はなかなか止まってくれない。


こんな状態で出られるわけもなく、居留守を使おうと決めて布団に潜ってしまった。


何度もチャイムが鳴る事はなく、きっともう帰ってしまったのだろう。


こんな時間に訪問してくる知り合いはいないし、問題はないだろうと思った。






――ガチャ





閉まっているはずの玄関が開く音が聞こえて、驚いた。


だって、私の部屋の鍵を持っているのは、私以外にはただ1人なのに。


頭に浮かんだのはただ一人、愛しい彼の姿。けれど、そんなはずはない。


だって今日はまだ火曜日で、彼がここに来るはずはないから。


そんなはずは……
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