俺様王子様に振り回されて
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あの後。
他愛無い話をして、アキは帰った。
そして翌朝。
俺は朝早く・・・ちょうど朝練が始まった頃、登校してきた。
石原の教室で待ち伏せしようと思ったんだ。
だが、待つ必要は無かったらしい。
なぜなら、石原の教室に行けば。
すでに石原が机に突っ伏していたからだ。
石原の華奢な姿を見た途端。
抱きしめたくなった。
本当、重症だ。
アキのことを、からかえねぇな。
俺は静かに石原に近づいた。
そして、石原の頭に手をのせ、囁いた。
「おい、石原。起きろ。」
「おわっ!?」
石原は変な声を出して、パッと顔を上げた。
そして俺を見て、目を見開いた・・・と思ったらすぐに。
ふいっと顔を背けた。
「な、なんでこんな時間に、お前がここにいんだよ。」
顔を背けたまま、つっけんどんに石原は言う。