俺様王子様に振り回されて
―――あれは、中学2年生になったばかりの頃。
桜の花は、すべて散っていた。
葉桜になる、少し前。
そんな時。
"アイツら"は、やってきた。
当時、兄貴は高校2年生で、司は小学6年生だった。
兄貴も司も部活には入っていなかったが、私は入っていた。
女子バスケ部に。
仲が良かった友達と、一緒に入ったんだ。
バスケ、けっこう好きなんだよな、私。
兄貴は、けっこう遠くの私立高校に通っていた。
だから、私と兄貴の帰宅時間はほとんど同じだった。
ちなみに、兄貴は頭がいいんだ。
そんで司も、頭がいい。というか、司は何でもできる。
兄貴は頭がいいけど、スポーツがこれでもかっていうくらいできない。
私は頭は少し悪いが、スポーツができる。
そんな私と兄貴と違い、司は・・・
頭はいいし、スポーツもできる。
おまけに、家事もできる。
たいていのことは、司はサラリとやってのけてしまうんだ。
そんで。司は小学3年生から、家事をしている。
両親が忙しかったから。
私と兄貴もできないってワケじゃないけど、司には劣る。
それに、帰りも遅いしな。
で、勿論あの日も、司は1人で家事をしていたのだろう。