俺様王子様に振り回されて
その時の私達は、そんなことを考えるより何より。


動揺していた。





お母さんは、長いため息をついた後、説明した。




「ごめんね、明、茜、司。


お母さん、ね。



さっきの男の人達と、不倫、してたの。


明が生まれる前から。





隠してて、ごめん。





もしかしたら、あなた達は。




お父さんの子供じゃないかもしれないの。








ごめんね―――。」








項垂れるようにして謝り続けるお母さん。




嘘を、ついているようではなかった。


そもそも、そんな嘘をつくような人じゃない。







兄貴が、かすれた声で聞いた。





「なんで、不倫なんて・・・・・・」







頭の中が、真っ白になっていた私。



兄貴の問いは、おぼろげにしか思い出せない。






けど。



お母さんの答えは、鮮やかに思い出せる。







「・・・寂しかった、の・・・・・・。


お父さん、仕事人間で、本当にお母さんのこと想ってるのか、不安で・・・」






・・・・・・・私達には。



それ以上追及する、気力も勇気も無かった。






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