俺様王子様に振り回されて
送信!と、思ったところでハタとした。




アタックのこと・・・栞さんに聞けばよくね!?






その考えに我ながら名案だと拍手を送りたくなった。







栞さんは、あのやさぐれてた兄貴と付き合うことに成功してたし。


プロポーズされてるし。



何よりバレー部だったらしいし!


バレーのアタックと恋愛のアタックの違いについて熟知しているはず。







そう考えた私は、さっきの文章に、一文加えた




《あと、恋愛のアタックについて、教えて欲しいんだが・・・いいか?》






・・・・・・なんか、こっぱずかしい・・・。




「で、でも、一歩前進しなきゃだろ!私!」





自分を叱咤した勢いで、そのまま送信した。







・・・・・・・・・うし!


よくやった私!




自分を称えていると――










「・・・・・・石原?」





廊下の方から、呼びかけられた。







その声に、ピタリと私の思考は、止まった。




言うまでもないだろう。







・・・奴――森井の声だ。









・・・・・・・・・なんで・・・



なんでいるっ!?






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