俺様王子様に振り回されて
《そう、言いたいことよ。

だから、学校の・・・裏門前に来なさい。
絶対よ。

じゃあね。》



プッ ツーッツーッツーッ・・・




「あの野郎・・・切りやがった。」


なんだよなんだよ!

言いたいことあるって言って、来いって命令して、勝手に切るって!!!



「ムカつくー」

と呟きつつ、私の足は、家を出ようとしていた。




――行くさ、勿論。


あの真剣な口調が、嘘だとは思えねぇし。




それに――


森井が好きだって、佐藤たちには言っといた方がいいだろーし!





そりゃあ、また、何かされる可能性だって、ないわけじゃない。


でも。



そうなっても、私には切り抜ける自信があるし。


何より、佐藤たちの言う"言いたいこと"がどういうものか、知りたいんだ。






「私って単純ー。」



呟きながらも、私は家を出た。





















――――――――――――・・・・・・








うわーお。





夕暮れが過ぎ、じわじわと暗くなっていく空の下。



裏門前には集まった、美形たち・・・森井の彼女たちがすっくと立っていた。





ここは、そんなに人通りがあるわけじゃないけど・・・


通る人皆が見てるぞ!




すごい、すごすぎる・・・恐るべし、美形パワー。




とか思いながら、美形集団に近づいて行った。





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