俺様王子様に振り回されて
――しかし。




家に帰ると、そこはもはや戦場と化していた。





リビングでは、司がキッチンに立っていて。



栞さんと兄貴が・・・取っ組み合いをしていた。


というより、兄貴が栞さんを襲おうとしていた、の方が正しいだろう。




「明君っ!だから、やめてってば!!!司君、助けて!!!」


「なんでだよ栞~。俺のこと嫌い?」


「そうじゃないけど・・・司君!助けて!!!」


「・・・・・・栞さん頑張って。」


「えぇ!?「栞~こっち来いよー」い、いやよっ!!!」



・・・・・・・・・・えーっと・・・




「ただいま?」


「おかえり茜ねえ。」

「茜ちゃん!!!ヘルプ!ヘルプ!」

「お~茜ー。遅かったなぁ~」





うーんと・・・とりあえず。



「眠ろーか、兄貴♪」






ドカッ!!!!!!




兄貴の頭に拳骨をくらわせたところ、バッチリ気絶した。






「はぁ・・・。

なんで兄貴と栞さんがココにいて、兄貴が酔っ払ってたんだよ?」



ため息をつきつつ聞けば。




栞さんが、私にげんなりと説明した。



「あのね。私、茜ちゃんと面と向かって話したかったから、来たのよ。


そうしたら、明君も心配だって付いてきちゃって・・・

浮かれてた明君はお酒いっぱい飲んじゃって・・・

酔って・・・こんなことに・・・・・・」




兄貴・・・お前、20歳になったばっかじゃねーか・・・。


はぁとため息をついた。





「てか、司は何してたんだよ・・・」


「夕飯作ってた。」



お前、超平然としてんな・・・。


我が兄の情けなさと我が弟のマイペースさを呆れつつ。




私は、栞さんに笑いかけた。



「じゃ、私の部屋に行くか。」





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