俺様王子様に振り回されて
兄貴は、今でこそ中性的なカッコよさ、があるが、

ちっこい時は、ただもう、可愛かった。




当時はまだ"ぼく"って言っていた明少年。



外見のことを『おんなみたい』とからかわれた

彼は自分のことを"俺"

と言えるように練習を始めた。




『俺俺俺俺・・・・・・』と呟く毎日。




当時3歳くらいだった私は、お兄ちゃん大好きっ子で。



すかさずソレをまねした。


明少年と共に、毎日『俺俺俺俺・・・・・・』と呟いた。




明少年は男口調もしっかり練習したので、

私はしっかりソレもまねした。











――結果。



明少年は、完全なる男の口調になり、


私も完全なる男の口調になったとさ♪





まぁ、その後、なんとかして"俺"を

"私"に変えたんだけど。



お母さんに厳命されたから、しかたなくな。






でも、そんなことがあっても、未だに私は

兄貴大好き。

司も大好き。



つまり、世に言うブラコンというヤツなのだ。


















なんてことを考えつつリビングに向かえば。


食卓が整っていた。





ほかほかの、白いご飯。

湯気をあげている豆腐の味噌汁。

焼き鮭に、ちょんっと添えられた青菜のおひたし。



今日の朝食も美味しそうだ。








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