俺様王子様に振り回されて
意味が解らず、首を傾げる。



《『は?』じゃ、ねぇだろ。昨日、言ったろ?

お前は俺のモンだって。だから・・・


俺の言うこと、聞け。》






は?え、まさか、俺のモンって・・・つまり・・・・・・



奴隷!?




衝撃的な事実に、呆然としていれば。





《てことで、アキ、責めんなよ。


で、登校したら、3階の空き教室あるだろ?

そこに、すぐに来い。


じゃあな。》




ブチッ、ツーッツーッ








無機質な音が、耳で鳴り響いた。


依然呆然としながらも、携帯をしまう。






「・・・・・・マジかよ・・・」


思わず、小さく呟けば。




「茜ねえ、どうした?」


司が心配そうに私を見つめていた。




司は家族思いなのだ。

家族の女にしか、なつかないし。





司は、私の顔を覗きこんで言った。


「相談なら乗るけど。」




真剣な瞳。


私は、司のその優しさに思わず微笑んだ。




家族の中で、1番不器用で、1番優しい司。


冷たそうに見えて、温かいんだ。




そんな司に・・・奴隷にされた、なんて、言えない。


言いたくない。







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