俺様王子様に振り回されて
って、いやいやいやいや。


なんでだよ!!!




なんで森井千春の腕の中!?


おかしくね!?





プチパニックに陥っていれば。






「お前、なんでもっと早く来ないんだよ。」



なんて声がした。



もちろん、その声の主は森井千春。




というか、私の登校時間どうこうより・・・




「森井千春、離せ。」


私はそう言い、もぞもぞと体を動かす。






―――が。


やっぱりというかなんというか。

男の力には敵わず、どうも抜け出せない。


というかコイツ、だんだん力強くしてる気ぃするんだが・・・。



いや、そもそも。


「なんで抱きしめんだよ?」




そう聞けば、バッと体が離れた。





なんだなんだ!?


いきなり、すごい勢いで体が離されたから、驚いた。



なんかあったのか!?





森井千春は、なぜか焦っているような、

どこか困惑した顔で、呆然としていた。







・・・・・・マジで、何があったんだ?





心配になってきたところで、奴は口を開いた。








< 24 / 172 >

この作品をシェア

pagetop