俺様王子様に振り回されて
羽依への思いを宣言していれば。



「お前・・・ソッチ系だったのかよ?」


森井千春が目を見開いて聞いてきた。



「・・・・・・心、読めんの?」

おずおずと聞けば。


「漏れてた。

『だって私は、羽依一筋だからなっ!!!』ってとこ。」



ありゃ。


思いが強すぎて漏れちまったのか。



納得していれば、奴はガシッと私の肩を掴んだ。




な、なんだなんだ!?


驚いて目を見開く。




奴は真剣に聞いてきた。



「で?ソッチ系なわけ?」




私は奴の真っ直ぐな瞳に少したじろぎながらも、

答えた。



「そっち・・・ではない。


ただちょっと、好きっつー思いが強いだけ。

羽依とは親友。」




奴は、明らかにホッとしたように、肩の力を抜いた。


肩にあった手が離れ、ついでに体も離れた。




「ビビらせんなよ・・・。」


はぁ、と息を吐き出した奴。


私は首をかしげた。




「私がソッチ系だと、なんかお前に不都合でもあんのか?」

「ある。」



・・・・・・わぉ。

即答じゃん。




「でも、不都合って、なんだ?」





けど奴はそれには答えず、靴を脱いで、

玄関にあがって、スタスタ歩き始めた。



私はハテナマークを浮かべつつも、

奴を追うべく、靴を脱いだ。




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