俺様王子様に振り回されて
知れば知るたび、引き込まれる。


媚ないのを不思議がれば


『金でも貰えんのか?』と、キョトンとしてるし。



変わってるのを直さないのかと聞けば


『変わってるからって、悪いわけじゃねぇじゃん。

直す必要ないだろ。』と、さらりと言うし。



惚れさせてやるよ、と言えば。


『ばーか!惚れさせるなんて、百万年はえーんだよ!』

って、舌を出すし。




それでいて、駅まででいいって遠慮するし。







不思議がる顔。


怒った顔。


笑った顔。


赤くなった、顔。




くるくる変わる表情に、魅せられた。









――笑っててほしい。


俺の傍で、笑っててほしい。


俺のモノに、したい。



そんな風に思った女は、初めてで。




こんなに誰かを気にするなんて、初めてで。



正直、かなり動揺する。





アイツへの気持ちは、察してはいる。








コレは、きっと・・・・・・恋、だ。




そう思い至れば、なんだか無性に恥ずかしくなった。




恋、なんて単語、俺には似合わねぇ・・・。


そう思うが、この感情にしか行き着かない。







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