俺様王子様に振り回されて
―――翌日。



無限ループから脱出できる経路さえ見出せないまま。


俺は自分の席に座った。




すかさずアキがやってきて、俺に聞いてきた。



「ハル、昨日ひどい頭痛がしたってメールきたけど・・・

大丈夫?」


「あ、わりぃ、ハル。

昨日のは仮病。サボりだよ。」


「なーんだ。よかったぁ。」



あははと笑うアキ。


サボりという事実を見事にスルー。

さすがだな。




何気にアキもサボりがけっこう多いんだ。


アキ曰く『一週間に1回はサボらないと、つまらなすぎて死ぬ』らしい。




まぁ、死にはしないだろうけどな。


とか思っていれば。




「ねぇ、じゃあ昨日、何してたの?」


ハルが俺の前の席に座りながら聞いてきた。




一瞬、ピクリと眉が反応したのを感じた。


何してたって・・・アイツと部屋でくつろいでたんだが・・・



アキのことだから、色々細かい所まで聞きそうだよなぁ。


説明、めんどくせぇ。




「・・・家で、テレビ見てた。」


「へぇー。なんか、面白い番組あったの?」


「微妙。」


「そうなんだぁ~」



「微妙かぁ~」とニコニコしているアキ。


疑わないのは、天然ゆえか。





なんて思っていられたのも束の間。







アキはさらりと聞いてきた。



「それで、ハルは何に悩んでるの?」






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