俺様王子様に振り回されて
「とにかく!!!」


ビシッと私を指差した佐藤。





「これから、千春先輩に近づかないでくれる?」


「え、ヤダ。」


「はぁ!?」



呆れた、というように眉をしかめる佐藤。





「だって森井には恩を返さなくちゃならねぇんだよ。

それに、私、森井と仲良くなりたいし?」


「な、な、な、仲良くなりたい!?あんた・・・」


「友達になりたいなーって思ってんだよ。

それに・・・自分を試したいし。」



そう言って、私は微笑む。


佐藤はギロリと絶対零度の瞳で私を睨んだ。




こえぇ!!!





「・・・・・・分からないんなら、別にいいわよ。」



その声は、もの凄く冷たかった。







「・・・恨むんなら、自分の馬鹿さとアホさを恨みなさい。」



そう言って、妖しげに微笑むと、佐藤は教室をでてどこかに去って行った。









・・・・・・なんか・・・



「ヤバイ?」


「茜の馬鹿ぁー!!!ヤバイんだよ!!!」



あ、やっぱし?


っつーか・・・




「なんでそんな敵対視すんのかなぁ・・・。

私、美少女でもないのにさ。

森井だって私のことなんて眼中にないはずなのに・・・」





そこまで言って、なんだか胸が苦しくなった。



・・・・・・病気?


ふと心配になった私は、昨日食ったものを頭の中で思い出していて。






「茜!!!無自覚すぎ!森井先輩の眼中にだって絶対入ってるよ!!!!!」




羽依の声を、聞いてなんかいなかった。








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