俺様王子様に振り回されて
さんさんと差す春の日差しが、温かい。



・・・・・・ん?


春の日差し?




顔を上げて、光が差しているところを見れば。






「・・・小窓発見ーーーー!!!」



奥の方、ちょうどマットが積んである上に、小窓があった。




こっから出られるんじゃね!?



ワクワクと胸を膨らませて、マットの上に乗り、小窓のふちに手をかけた・・・・・・・が。






なんか、ビクともしないんだが。



なんでだぁー?




背伸びしてよく見れば。






「うおっ!!!」




がっつりさびてんじゃん!!!


がっちがちに固まってんじゃん!!!





「おいおいおい!!!体育倉庫掃除の奴らは何やってるんだよ!?」


っつーか学校側はコレ放置かよ!!!






「~~~~ッ!!!開けーーーー!!!」




ぐぐぐぐぐっと手に力を入れるも、やっぱりビクともしない。






「開け!開けゴマぁーーー!!!」




魔法の呪文も、この、さびでガチガチに固まった小窓には効かないらしく。





やっぱり小窓は開かなかった。






さっきの私のワクワクを返せぇーーー!!!



しかも、更に腹減ったし!!!




小窓の馬鹿野郎ーーーーー!!!





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