俺様王子様に振り回されて
実は俺・・・じゃない私は。


自分のことを"俺"というと、男に見えるようになる。



まぁ、元々男言葉で、しかも声は低い方だから。

そうなるのも自然かもとか思う。



でも、一応女だから、"俺"は禁止にしてる。


けど、可愛い羽依の前だと、どうも出ちまうんだよなぁ。






「しょうがねーじゃん。

羽依が可愛いんだからさ。」


そう笑えば。



「茜の方が、断然美人なのに・・・・・」


ポツリと羽依が呟いた。



「いやいやいや。羽依、私のどこか美人なんだよ。」


呆れたように見れば。




「あはは・・・茜ってば、相変わらず無自覚・・・」


なんて、苦笑いされてしまった。




意味解んねー。



と、思ったところで。





そういえば、と思った。



意味解んないことなら、もう1つあった、と。







「なぁ、羽依。」


「うん?」


「今日さ、数学教師に、また告られたんだけど。」


「えぇ!?また!?」



羽依が目を見開き、すぐに心配そうな顔になった。



「茜、大丈夫?何かされなかった?」


「あーうん。キスされそうになったんだけど・・・」


「キスぅ!!???」


羽依、お前の目はどんだけ大きくなんだよ。







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