俺様王子様に振り回されて
「で、でででででで・・・どうしたの!?」


『で』言いすぎだろ。

苦笑いしつつ。




「なんか、危機一髪のところで、あるイケメンに助けてもらった。」


「お、おぉ・・・」



ホッと胸を撫で下ろす羽依。



「けど、その救世主が変な事言ったんだよ。」


「変な事?」



首を傾げる羽依に、1つ頷く。



「そう。なんかさ『"お礼"はお前でいい』っつって。

その後『俺のモノになれ』ってさ。」




羽依はポカンとした。



「え・・・それ・・・・・つまり・・・

茜は、その人のモノになったってこと?」


「・・・・・・・・・・・さぁ?

よく、わかんねぇんだよな・・・」



そもそも『俺のモノ』ってつまりは、どういうことだ?




「・・・茜、その人、何年生?」


「あ?確か、3年だと思うけど?」


「3年生・・・千秋先輩と、同学年だ。」



あ、そういや、そうだな。



「ねぇ、なんか、見覚えとかって、無かったの?」


「あ、それが、なんかあるような気がしたんだよな・・・。」


「そっか。・・・・・ね、茜。」


「あ?」


「放課後、3年生の階、行ってみない?」



私は、羽依の言葉に、目をパチクリさせた。



「・・・・・・・・・・なんで?」




そうしたら、羽依は、真剣な表情で言った。



「その人が、誰か確かめるために。」









< 9 / 172 >

この作品をシェア

pagetop