おいかける先は「青空」
-第一章-

父の手紙

小さい頃、
騎士団長を務める父
ガイナ・カトリーヌが、
他国との戦争で亡くなった。

国民は泣いた。
私の父は英雄だったのだと
実感した瞬間だ。

騎士の血筋を引くカトリーヌ家。

伯爵家であるにも関わらず
いばらず、堂々とした父の騎士である背中が
国民に安心をもたらしていたのだ。


父が亡くなった戦争が
勝利と共に終戦をむかえたとき、
父の友人が手紙を授かった、と
一枚のぼろぼろになった手紙を泣きじゃくる母に渡した。

友人は、
「この手紙は、彼が最期を迎える直前にわたされた。」と。

父はきっとわかっていたのだ
この戦争で自分が死ぬことを。

騎士として命をまっとうすることを。



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