おいかける先は「青空」
「まあまあ、二人とも!
リキもあまりサリエをからかわないでやってくれ。」

こちらの様子に気づいた兄さんがフォローに入る。

「兄さんは黙ってて。
こんなやつが副騎士団長だなんて、
こんなやつ蹴落として
私が副騎士団長になった方がいいに決まってるわ」

「ほう?居残りの教官降りてやってもいいんだぜ?
卒業できなくてもいいなら…「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいよろしくお願いします副騎士団長様」わかればいい」

それだけは困る。卒業できなければ
剣士にすらなれない。


それを見ていた兄さんが
「お前ら仲良いじゃないか」

「「どこが?!」」

「ほら、仲良し」

兄さんの目は節穴だ。
どう見ても険悪なのに…
この光景を見ている他の皆なんて
ポカーンとしている。

「まぁ、サリエ、リキは俺が見込んで副団長にしたんだ。いずれサリエも、こんなやつだけどリキの凄さがわかるさ」

そう言い残して兄さんはその場を立ち去っていった。
そのあとをリキが追いかけていく。

兄さんが認めた?信じられない
あんなやつを認めたなんて!?

これは多分

悔しいんだろう…



「訓練を再開する!集合!」

教官の声が頭に響く。
整列して訓練が再開した。

訓練の最中もリキという男のことばかり
考えていた。

そして


いつもの辛い訓練も
今日は終わらないでほしいとさえ思った。


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