私たちで奏でる物語
「位置について……よーい」
―パアァンっ!!
弾けたピストル音と共に第一走者が勢い良く走り出した
(龍君……!)
何と龍君が先陣切って走っている
「近藤、任せたっ!」
「任されたっ!」
龍君からバトンを受け取り近藤君が全速力で此方に走って来る
「如月、リー!」
「はいっ!」
私は練習通り後ろ見ず、唯々前だけを向いて走り出した
バトンがパス区域のフィニッシュライン30cm前で渡され、私の手中にピッタリ収まる