私たちで奏でる物語
かと思い目を瞑った
――が私の身体は、何かがっしりしたモノに支えられる
「走り疲れて、足の感覚ないって?」
顔をあげれば、微笑を浮かべた金田君が其処にいた
「あ、ありがとう……それより、ごめんなさい。龍君も近藤君も一位で回してくれたのに私が遅くって……」
すると近藤君が私の額にデコピン!
「いっ……?!」
「何言ってんだ!お前、後ろ向かず走ったじゃんか!」
金田君の言葉が続く
「それにあん時お前が、大声で叫んでくれたからいつも以上に速いリーチが出来た」
「でも………」
私の言葉を遮り、龍君が私の頭に手を添えた
「栞奈。お前がいたから俺達は一位なんだ――ありがとな」
「あんがと」
「サンキュ!」
二人も私に向かって笑顔を見せて
私は躊躇わず泣いた――嬉し涙
こんなにも人に必要とされ、温かく接し、互いを感謝し合って、
「私……一組(ココ)に来れて良かった」
そんな私を三人の腕が優しくギュッと抱き締めてくれた