私たちで奏でる物語
打ち上げ
―色々あった学園祭が幕を閉じた
「終わりましたなぁ~~」
恋君が小父さんじみた口調で言う
「そういえば、結果って……?」
学園祭は終わったもの、終祭式では順位発表がされなかった
「明日のSHRに校内放送で発表だと」
真っ先に龍君が答えてくれた
「そうなんだ、ありがとう」
「ま!僕等の一位は決定だけど。それより……クレープ、クレープ☆!」
恋君が私の手を取り、ブンブン振る
「龍の奢りだったな」
「……チッ、わーってる!!」
私はポツンと立ち止まり、それから恐る恐る聞いてみた
「あの…………私も?」
正直良く理解出来ていないのが現状
「ったりめーだろ?お前ナシならコイツらも食わせねぇ」
「え、でも龍君……、」
「お前は俺に遠慮すんな!」
龍君が私の背中をグイグイと押す
「……ありがとうございます」
「はいはい、お粗末様です」
龍君は微笑すると、更に力込めて私の背中を押した