私たちで奏でる物語
(駄目だ、転校初日からこんなんじゃ……!)
沈んだ気持ちを塗り替えようと、私は好きな歌を小声で紡いだ
「♪─…君とほら、出逢うまでは、この空も、何でもなかったのに…─」
その時ふと、背後に視線を感じた
恐る恐る振り返ると、何とあの3人が立っていた
「いいい、いつからっ…!?」
私は恥ずかしさと恐怖で、顔が赤くなり目から熱いものが零れるのを感じた
「あ、邪魔するつもりは…」
恋君が似合わなくも言葉を探していた
「その、今の歌…」
続いた龍君の言葉に、私の顔も呼吸も湧き上がる熱に堪えきれなかった
「ご、御免なさいっ――!!」
私は逃げた、言葉の続きが何なのかは分からないが、直感的に“聞きたくなかった”