私たちで奏でる物語

「あ、あった」


そういって栞那が取り出したのは四枚のチケット


「何?温泉旅館の宿泊券…?」

「どうしたんだ?これ」

「町の福引きで当たったの」

「すげぇ」

「それで、みんなにあげようと…」


私がおずおずというと三人はきょとんとした


「何で?みんなで行こーよ!ちょうど五名様だし♪」

「え…でも…」

「何かもう予定があるのか?」

「えっううん、そうじゃなくて…私も良いの?」

「当たり前じゃん!!」

「お前が当てたんだ、遠慮するな」


那斗くんが私の頭に手をのせながら微笑んだ





< 110 / 160 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop