私たちで奏でる物語
「あ、あった」
そういって栞那が取り出したのは四枚のチケット
「何?温泉旅館の宿泊券…?」
「どうしたんだ?これ」
「町の福引きで当たったの」
「すげぇ」
「それで、みんなにあげようと…」
私がおずおずというと三人はきょとんとした
「何で?みんなで行こーよ!ちょうど五名様だし♪」
「え…でも…」
「何かもう予定があるのか?」
「えっううん、そうじゃなくて…私も良いの?」
「当たり前じゃん!!」
「お前が当てたんだ、遠慮するな」
那斗くんが私の頭に手をのせながら微笑んだ